タイ、政権存続へ攻防 首相「2月総選挙」


タイのインラック首相が9日、下院を解散して総選挙で民意を問う意向を表明し、タイ政局は新たな段階に入った。選挙によらない政治改革を訴えるデモ隊はこれを拒んでおり、9日には25万人が首相府を包囲した。インラック政権の存続を巡って攻防が続くなか、政治空白が長引くことが懸念されている。

「総選挙を行い、国民に自らの将来の選択を委ねる。政治的衝突を解決する最善の方法だ」

9日午前9時前、テレビ演説に臨んだインラック首相はやや硬い表情で下院解散を宣言した。総選挙は2014年2月2日で、その間は首相が選挙管理内閣を率いる。

首相が下院解散の決断に傾いたのは8日。最大野党・民主党の150人あまりの下院議員全員が辞職してデモへの合流を決めたためだ。デモ隊を率いるステープ元副首相らを含めると、下院の定数500のほぼ3分の1が不在になるという異常事態が起きてしまう。

首相の決断にもかかわらず、ステープ元副首相は「解散がゴールではない」と一蹴。政治的圧力をかけるため、首相府を包囲するよう支持者らに呼びかけた。治安当局によると、9日午後4時の時点で首相府周辺には今回のデモで最大の約25万人が集結した。10日は祝日のため、さらに人数が増える可能性がある。

デモ隊が求めているのは、首相の兄で国外逃亡中のタクシン元首相の影響力の排除だ。総選挙が行われると地方や貧困層に人気のある与党・タイ貢献党が再び勝利するのはほぼ確実。インラック政権は11年7月の総選挙でタイ貢献党が圧勝して発足したが、デモ隊や野党は、票の買収など総選挙そのものが不公正だったと批判している。

デモ隊は現政権の退陣だけでなく、その後釜に非民選の「国民会議」の創設を要求。暫定政権がまず半年から1年かけて政治制度改革に取り組み、その後に総選挙を実施すべきだと訴える。

政権存続を巡る攻防は今後どうなるのか。

「解散カード」を切ったインラック首相は、次期総選挙に向けた準備を着々と進める。与党・タイ貢献党は11日に党会議を開き、総選挙後の次期首相候補である比例代表名簿1位に再びインラック氏を選出する方針。改めて民意を問い、政権維持を目指す構えだ。総選挙で政権の正当性が確認されれば、デモ隊の行動を封じ込められる。

これに対して、デモ隊や野党は政治改革の先行実施を主張。総選挙をボイコットする可能性がある。06年の前例にならって軍の政治介入に期待をかけるが、今回は軍が介入に動く可能性は低いとされる。選挙のボイコットは民主主義の否定にもつながるため、国内外から批判を浴びるのは避けられない。(日経新聞より引用)

2013/12/10



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